紫イペ情報館

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ブラジル植物群の素晴らしい薬草(7)

ガイアルサ医師の発言

紫イぺに関し箝口令がひかれたサンカエターノ市立病院の医師であるガイアルサ氏は風邪で欠勤していたので箝口令を知らなかった。同医師は我々に語ってくれた。「化学と顕微鏡についての知識があった。紫イぺを観察した。結晶の数量は不規則である。この観察結果はアコルシ教授に伝えた。しかし構造も性質も確認していない。現在の私の作業はもっと多量の結晶を得ることである。今週は結晶体を撮影する予定である。これらの結晶体は紫イぺの有効成分だと私は考えている。

観察をしていたら、他の医師達が結晶体が不溶性ならば、薬剤として同視することが可能かと質問した。私は答えた。結晶体を塩酸の2%溶液に投入する。結晶体はゆっくりと溶解する。酸性物質により腐食されるかのように結晶体の溶解が認められる。私が立証した結晶体の存在はアコルシ教授により確認されている。

ラカス教授は紫イぺは2種の抗生物質を介在して作用すると説明している。私の見解ではこの作用は紫イぺ自体の作用ではないように思える。多分その構成と無関係の物質により誘発されるのであろう。菌発生がその例である。しかしこれは仮定である。私の作業は不安定なものであり、後進の科学者に調査研究を託す事になる。ガイアルサ医師は十分な研究設備を備えていないが、紫イペの有効成分を追及し続けると言っている。彼は今までに原料(樹皮)300gから5gを入手したが、これはキロ当たり15~20gの割合である。然し乍ら紫イぺの化学構成は未知のままである。溶血テストを行ったがサポニンの異常な量が認められたのみである。しかしサポニンは植物の全種類に共通して存在する。ここに別の見解がある。然し乍らそのことはサポニン自体の有効成分である可能性を否定するものではない。もう一つの見解、植物の種類はすべて(水と気候に恵まれれば)まもなく胞子に被われる、これは繁殖し菌の原因となる。しかしこの現象は紫イぺに関しては発生しない。この事は紫イぺの持つ桁外れた抵抗性があることを示す。この種の実験では常に同じ結果を得た。

ガイアルサ医師はサントアンドレー病院の仕事を肯定した。「あれは素人療法所のように見えるがそうではない。すべて完全に管理して行っている」
同医師は他の医師と同じく病院の内部事情を把握している。「サントアンドレー市のジョルドン・ベキチア技師を知っているが能力のある人物である。彼は私に自分の運転手の事例を語った。その運転手は癌を患っていて手当の仕様もなく、治療不可能であることが検査でわかっていた。そして紫イぺを使用して治ったのである。同僚医師の多くが糖尿病治療の事例、骨髄炎治療の事例、さらには癌治療の事例について話している。ペレーの呼び名でよばれていた黒人の場合は治療不可能な癌患者として長期間入院していたが、今では太ってたくましくなっている。とっくに死んでいるべきだったんだと私に語った。」

ヤクベック医師の治療事例を知ったが、同医師は通常の治療法で効果のなかった皮膚癌に紫イぺを使用した。病理解剖検査により根本的な治療ができるようになった。

私自身血球の感染と静脈瘤潰瘍から生じた貧血の事例を知っているが、いずれも15日かどんなに長くても1ヶ月の治療で回復している。また、ナルデリ医師は治療不可能だった骨髄炎が紫イペで完治し、それが検査で立証された事例を私に告げた。また、病院で正規に記録されている白血病の事例もある。

症状が明白かつ進行が激しい白血病の場合で1ミリ立方につき白血病24万個であった。1ヶ月間紫イぺを投与すると血球数は通常と見なされる2万個まで減少した。これは生命にかかわる場合であった。

直接ガイアルサ医師に質問した。
「紫イぺに癌治療に効力を持つか」
同医師の答えは次の通りです。
「癌症状が退縮し固定化する場合がある。随意的な治療でまれである。質問に対してどう答えていいか戸惑う」

いずれにしても、私の少年時代には、ハンセン氏病、結核、チフスは治療困難な病気だった。今日ではこれらの病気の治療は何の造作もない。ガイアルサ医師は、次の言葉を述べて会談を締めくくった。「カストロ薬剤師に聞くことが最良である。同氏は真摯な人物であり、紫イぺに関して熟知している。」

また、次の言葉を述べた。
「私の意志は発見することではない。科学に従事する者に注意を喚起することである。」


結論

本調査書には紫イぺに関する研究を集成した。いずれも経験上、植物分類学上及び植物療法の視点に基づいて行ったもので数多くの病気特に癌、白血病の治療でブラジル植物群の薬用植物を使用することが有効であることを証明しており、これは、薬草の有効成分と薬理学的あるいは薬力学的な成分を豊富に含んでいることによる。

今日では、このような大きな価値をもつ薬用植物の普及がブラジルのみならず海外、カナダ、アメリカ、日本にまで拡がり、数々の薬用植物療法が存在する。
抽出液、チンキ、軟膏、粉末等の製品が、我が国の優秀な製薬会社で製造されており、そのなかでもLAFFP/ペルナンゴ州薬学研究所が群を抜いている。

同研究所はレシーフェの連邦大学に所属し市内のドイス・イルモンス広場に本社を置き医薬品市場で新薬LAPACHOLを発売した。この新薬を社会福祉省の医薬品センターが腫瘍の治療用として配布している。薬効は次の薬物使用説明書の通りである。

CEME(医薬品センター)抗癌剤を配布
1975年6月26日 P17
ジョルナル・ド・ブラジル紙保険欄

LAPACHOLは抗生物質研究所が調合して新薬で、現在ペルナンブコ州薬学研究所(LAFEPE)が製造している。

ゴンサルベス・デ・リマ教授のグループが抗生物質性成分を確認したのは、米国人研究者グループと同時だった。(1965年)
しかし、LAPACHOLは化学成分として前世記末には発見されている。米国では、インド原産植物のおが屑から抽出するが、ブラジルでは紫イぺから抽出される薬剤であり、この樹木はアマゾン地域に自生している。

新薬LAPACHOLは有機質溶剤で紫イぺの樹木から抽出される。次いで抗生物質研究所で精製から結晶化までの数々の生産工程がある。その後、粒状の原料はペルナンブコ州薬品研究所に送られる。同研究所でカプセルの形態に商品化され、LAPACHOLの商品名で販売する。LAPACHOLは悪性腫瘍に効果があり、鎮痛剤としても作用する。現在、我国の数多くの医療団体へ供給している。LAPACHOLはBIGNONIACEAS属の一部の種類に存在する物質で、科学的にはE・P・ATERNO(1882年)S・C・HOOKER(1896年)が研究している。1896年以降、ベルナンブコ連邦大学抗生物質研究所でリマ教授とその協力者が行った研究の結果、微生物感染予防の効力について注目されている。リマ教授とアルブチルケ教授をリーダーにした調査研究は、LAPACHOL派生物の生物活動に基づいており、WALKER癌肉腫256における抗腫瘍作用を含むものであった。1967年に米国のI・N・HのJ・ハートウェル氏が独自に行った調査研究は吉田肉腫(84%阻止)におけるLAPACHOLの顕著な抗腫瘍作用の特徴を帯びていたが、このことはペルナンブコ連邦大学抗生物質研究所で確認されている。

LAPACHOLは不飽和性を有するキノンの一種であり、プラストキノンとウチキノンに類似した変化をもたらし、それぞれソランクロメンとウビクロメノールに変化せしめる。(A・J・HAAGEN及びC・C・NIMMO/1963年;R・A・MORTON/1965年)

このことは、確認されている高度の抗腫瘍性が独特の構造に起因している可能性を強めるものであり、ミトコンドリア並びにサクシニカ機能抑止での酸化と燐化の抑止剤としてのキノン(ベンゾキノン)との関連にてSMITHとLESTER(1961年)が設定したものを上回っている。

サンパウロ州大学出版物発行所
ブタンタン市大学都市「アマンド・デ・サーラ・オリベイラ」執務室